2009年8月29日 (土)

知能に対する遺伝の影響は年齢が上がるにつれて大きくなるらしい

忙しくてなかなか更新できていません。。。

今日の更新はちょっとメモ代わり。Haworth CMA et al. The heritability of general cognitive ability increases linearly from childhood to young adulthood. Mol Psychiatry 2009 Jun 2;から。

合計11,000人(この種の研究では最も大規模)の一卵性または二卵性の双子の研究から。子供(平均9歳)、青年(平均12歳)、若い大人(平均17歳)の3つのグループの知能とそれに対する遺伝、環境の影響を調べている。これによると知能に対する遺伝の影響は子供の時期で41%、青年期で55%、若い大人の時期で66%と直線的に増加する、だそうです。

成長とともに遺伝の影響が大きくなるなんて直感に反していますが、どうしてなんでしょうか。興味深いですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年3月15日 (日)

風邪

久々に風邪をひいて寝込んでいました。

家族の一人が風邪を引くといつもドミノ倒しのように次々と倒れていきます。

今回は最後のドミノは僕でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Kenken

先日Timeを読んでいるとKenkenなるパズルが取り上げられている。なにやら日本で作られた数字パズルらしい。でググってみると出てきたのが賢くなるパズル。お試し版があったのでやってみたがかなり面白い。

Sudokuもそうだけど、日本発のパズルは面白い上に頭の体操にもなって、世界に通用するものが多い。Sudokuなんて米国で500万部以上売れたそうだ。

このKenkenも頭の体操にもなるし、娘がもう少し大きくなったら教材にいいかも。Yes, she kenken!!


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月26日 (木)

ガイドラインを守って診療していますか?

医療の世界では近年ひんぱんに「ガイドライン」を見かけるようになってきました。これは専門家がある疾患を対象とした研究を精査し、研究に基づいて治療方針を推奨する、というものです。ですから、その疾患に対する治療のエビデンスの集大成ともいうべきものです。つまり、ガイドラインに従っていれば最先端の研究に基づいたEvidence Based Medicineができるというわけです。

このガイドライン、あればやっぱり便利なのです。深く考えずにガイドラインの仰るとおりに薬を処方すれば良いし、その病気に対する代表的な研究もガイドラインに引用されている文献を調べることで大抵網羅できます。

ただ、便利なものも使いすぎると問題が。。。

各種疾患に対するガイドラインが権威ある学会から出されます。学会はもちろん複数ありますから、一つの病気に対して複数のガイドラインがあることも珍しくありません。そしてそれぞれ数年おきに更新されるわけです。一つの病気のガイドラインをきちんと把握しておくだけでも大変なのに、数多の病気に対してそれぞれガイドラインがあるわけです(>_<)。

それにガイドラインは一つの病気しか取り扱いません。でも、実際の患者さんは複数の病気を持っているわけです。大抵頭を悩ませるのは、この病気に対してガイドラインによるとこの薬だけど、この薬は別の病気を悪化させるかもしれない、そういう場合ですが、ガイドラインはそうした疑問には大抵答えてくれません。ちょっと融通が利かないのです。

その上米国では医療の質を測るのに、どれだけガイドラインに従っているか、というのが指標に使われるようになってきました。ある程度医者として腕が上がってくると、ガイドラインの意味や限界も分かってきて、現実の患者さんに応じて敢えてガイドラインから踏み外す場面も出てくるわけですが、そうした医師としてのさじ加減は医療の質を低めるものとして評価されるようになってきてしまったのです。

だんだん弊害も大きくなってきているのです。

そして、今週のJAMAに面白いEditorialが載りました。(要購読) ガイドラインの問題点を指摘した、思わず膝を打ちたくなるような内容でした。

日頃からガイドラインにいらいらしている人はぜひどうぞ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月14日 (土)

老年病内科専門医合格!

老年病内科専門医試験合格していました! さっきメールが来ていたのでABIMのサイトをみてみたらPassになっていました! 一つ肩の荷がおりました。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年2月 9日 (月)

娘誕生

三番目の娘が生まれました。2月5日にCedar Sinai病院で誕生。

女の子はやっぱりかわいいですね。まだ生まれたばかりで顔も真っ赤ですが、父に似ているのか、母に似ているのか、想像してにやにやしていまいます。

あと、すっかり忘れかかっていましたが、生まれたばかりの子の小さいこと。これまでとても小さく感じていた二番目の娘が突然大きくなったみたいです。

上の娘達は新たな家族が加わったことが嬉しいようで、しきりに「だっこさせて~」とくっつきたがっています。二番目の娘が赤ちゃん返りしたりするんじゃないかと心配していましたが、杞憂に終わりそうです。

これから寝不足の日が続くことになりますが、それさえも後から振り返ればきっと楽しい日々。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年1月20日 (火)

COPDの管理において、Anticholinergicsは死亡率を上昇させるか?

ここ数ヶ月でこのテーマに関して論文を頻繁に見掛けるし、論文の読み方を練習する上で良い題材になりうるので取り上げてみようと思います。

試しにUpToDateで"role of anticholinergic therapy in COPD"を見てみると、"Conflicting findings have been reported in multiple studies"なんて書いてあります。もともと、Anticholinergic agents (SpirivaとかAtroventという商品名の吸入薬です)は非常に安全だと思われていたのですが、昨年になって(特に心疾患系の)死亡率を上昇を示唆する論文が続けて発表されています。臨床医または患者の立場からするとこれほど困ることもないですね。安全なのか、そうでないのか・・・。

もともとanticholinergicは水溶性ですし、血圧や心拍数に対する影響もほとんど無いので非常に安全だと考えられてきました。ところが、90年代に行われた5年間の月日と6000人近い被験者を費やし、Anticholinergicとplaceboを比較したLung Health Studyが思いがけずAnticholinergic群で心血管系の死亡率の上昇を示したのです。全く予期されていない結果でした。大規模な試験だったのでそうした稀な副作用が検出されたのかもしれません。そこで試験を精査する委員会が組織されたのですが、その結果は「統計学的に有意な結果ではないし、dose effect(投与量の増加に伴って副作用の危険性が上昇すること)も見られない」、要するに「シロ」でした。心血管系死亡率の上昇傾向については、complianceの影響も示唆されています。(Am J Respir Crit Care Med. 2002 Aug 1;166(3):333-9.)

ところが2008年に入ってAntichoinergicの危険性を示唆する論文が相次ぎます。(Ann Intern Med. 2008 Sep 16;149(6):380-90.、Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2008;3(1):163-9) これらの研究はいわゆるobservational study(観察研究)です。こうした研究においては、交絡因子(confounding factor)を適切に取り扱うことが非常に重要になります。ですが、これらの研究においてはいくつかの重要なリスクファクター(喫煙、COPDの重症度など)が調べられていませんでした。

そして、Antichoinergicの危険性を示唆するメタアナラシスが行われます。(JAMA.2008; 300: 1439-1450.)全部で17の試験(参加した被験者は合計15000人近くにも及びます)の結果を総合して、anticholinergicは心血管系死亡率、心筋梗塞、脳梗塞の危険性を高める、という結論を下しています。(ほとんどの研究が「更なる研究を要する」で締めくくるのと比べると、このきっぱりとした断言はある意味すがすがしいです。)

しかしながらこのメタアナラシスにもいくつかの問題点があります。被験者(そして心疾患系の死亡)の大半が前述のLung Health Studyからのものであること。それ以外の試験は多くが小規模で期間も短いことなどです。また、心血管系の死亡が見られなかった試験の内いくつかが含まれていないようです。

そしてその直後に4年間をかけたUPLIFT(The Understanding Potential Long-Term Impacts on Function with Tiotropium)試験の結果が発表されます。(N Engl J Med. 2008 Oct 9;359(15):1543-54)これは4年間6000人近い被験者を追跡した非常によく計画された比較対照試験です。調べられたanticholinergicはtiotropium。統計解析もきちんとなされています。(このレベルの解析が出来るようになりたいものです。)その結果は「シロ」。むしろtiotroipum群が死亡率が低い傾向さえみられます。

ざっと見てきましたが、印象はいかがでしょうか。5本の論文の内、4本が死亡率の上昇を示唆、2本は観察研究、1本は比較対照研究(ただしその結果は疑問符付き)、1本はメタアナラシスです。残りの一本は死亡率の上昇を否定した比較対照研究。多数決でいくと死亡率が上昇する方に軍配を挙げたくなります。ですが、それぞれの論文を詳しく読んでいくと、研究の質として最も優れているのは死亡率の上昇を否定した比較対照研究だということが分かってきます。メタアナラシスもUPLIFT試験を含めると結果が変わってくるかもしれません。(上述のメタアナラシスの研究者達が、何故数ヶ月待ってUPLIFT試験も解析に含めようとしなかったのかは定かではありません。Dr. Furbergだから?www)

今臨床研究の方法論や統計学を勉強していますが、すればするほど「完璧」な研究などない、ということが分かってきます。論文を読むときも以前は何となく流し読みしていましたが、批判的に読むことで理解を一段と深めることが出来るようになった気がします。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年1月11日 (日)

舅姑と同居している日本人既婚女性は冠動脈心疾患の危険性が3倍高い

Living arrangement and coronary heart disease: The JPHC Study. Heart. 2008 Dec 15 PMID: 19066191から。この研究はNew York Timesにも取り上げられました。

嫁姑問題、と聞くとストレスフルなイメージがありますね。でもそれが健康に与える影響はどうなのでしょうか?

ハーバード公衆衛生学教室が40歳から69歳までの心疾患を持っていない日本人90987名(内47594名が女性)を平均11年間、質問票によって追跡調査したところ、合計662例の冠動脈心疾患(いわゆる心臓発作)が起こり、他の危険因子を考慮しても舅姑、夫と同居している女性は夫のみと同居している女性と比べて3倍冠動脈心疾患になる危険性が高かったと言うことです。興味深いことに、舅姑に加え夫、子供と同居している女性、夫と子供と同居している女性、母子家庭の女性も2倍程度冠動脈心疾患になる危険性が高かったということです。

もともと若い日本人女性は冠動脈心疾患になる危険性があまり高くありません。47594名の女性を平均11年間追跡したこの研究でも冠動脈心疾患によって死亡した女性はわずか97名、全ての死因を含めても亡くなったのは2073名です。非常に大雑把に言うと、約10年間程度で死亡率は4%前後、冠動脈心疾患による死亡率は0.2%程度ですから、この年齢層の日本人女性はかなり健康なことが伺われます。そうした低い死亡率が2から3倍高まったとしても、公衆衛生学的には意味があることですし、学問的には興味深いことですが、個々人がそれを気にして何か行動に移す必要は無いと思われます。(この辺りはabsolute risk reductionとrelative risk reductionの違いですね。仮に10倍危険性が高まるとしても元々の危険性が非常に低ければ、その高まった危険性の意義はあまり無い、ということです。)

社会的な要因は英語ではSocioeconomic Status (SES)と呼ばれ、それが疾病に与える影響について多くの研究がなされています。ストレスが心疾患に与える影響も注目を集めています。仕事のストレスが心疾患を増やす、というデータも多いですね。上記の研究のように人間関係のストレスもまた注目を集めています。そういえば、結婚関係がうまくいっていないと心疾患の危険性が高いというデータもありましたね。(Arch Intern Med 2007 Oct 8; 167:1951.)

面白い研究としてはドイツで2006年ワールドカップ開催中には心疾患の発生率が高まった、というものがあります。(N Engl J Med 2008 Jan 31; 358:475.) ドイツはイタリアに準決勝で敗れて3位でしたから、それがショックだったんでしょうか。。。

ストレスを避け続ける人生なんてつまらないですが、(メタボ気味で心疾患の危険性が元々高い人は特に)ストレスもほどほどに、ってことでしょうか。

前向きな気持ちが心疾患の危険性を減らすかもしれない、なんて研究もあるので(Arch Gen Psychiatry 2007 Dec; 64:1393)今年も前向きに頑張っていきましょう!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

冬学期開始

大学院で冬学期が始まりました!
今学期履修するクラスは3つ。

回帰分析を中心に学ぶ統計学のクラス (週2回)
SASという統計ソフトを用いて学ぶデータ解析のクラス (週2回)
臨床研究における問題点、というテーマの臨床研究のクラス (週1回)

です。

今学期の間に

1.Designing Clinical Research: An Epidemiologic Approach (Paperback) by Stephen B Hulley
2.Methods in Observational Epidemiology by Jennifer L. Kelsey
3.The Little SAS Book: A Primer, Third Edition by Lora D. Delwiche
4.SAS and SPSS Program Solutions for use with Applied Linear Statistical Models by William Johnson
5.Applied Linear Statistical Models by Michael Kutner
6.Statistical Analysis of Medical Data Using SAS by Geoff Der

をマスターしようと思っています。SASは日本語ではあまり良い教科書がないですね。。

宿題は多いようです。。。。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月 1日 (木)

あけましておめでとうございます

旧年中は大変お世話になりました。今年もまたよろしくお願いします。

2008年度は忙しい一年でした。

UCLAでのgeriatric fellowshipが修了し、同じくLos Angelesにある退役軍人病院(VA hospital)にgeriatricsのリサーチフェローという形で残ることになりました。このリサーチフェローは臨床研究が中心になります。フェローに対する教育の一環としてUCLAの大学院に通うことになりました。当初は公衆衛生の学位(Master of Public Health)を目指していたのですが、結局臨床研究のデザインや統計について重点的に学べる臨床研究のコース(Master of Science in Clinical Research)にすすむことになりました。大学院進学のために大学院入試(Graduate Record Examination, GREと呼ばれます。)も受験しました。VA hospitalへの就職やGRE受験などは面白いことも多々あったので、また後日ゆっくりと触れようと思います。

老年病内科専門医試験を受験しました!(結果待ち)

以前からだらだら時間をかけて書いていたReview articleをやっと投稿しました!(結果待ち)

引っ越ししました!(以前の住まいより南に5マイルほど。Gated Communityと呼ばれる入り口に守衛がいるタイプのコンプレックスです。なんとプール付き!)娘達が新しいプレスクールに入学です。

そして何よりも、ついに三人目妊娠です!また女の子(^o^)。2月誕生予定です。

現在は半分大学院生、半分医者として生活しています。やっとブログを再開する余裕も出てきたので、今日を区切りに再開です!
今年もよろしくお願いします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月22日 (月)

脳卒中予防

この間 Wang X et al. Efficacy of folic acid supplementation in stroke prevention: A meta-analysis. Lancet 2007 Jun 2 ; 369:1876-82.という論文に遭遇しました。この研究によると、脳卒中を患ったことがない人は葉酸を3年間以上とることによって脳卒中の危険性を18%減らせるらしいです。

とても不思議です。

一体どうして葉酸を取ることで脳卒中を予防できるんでしょうか? ホモシステインを下げるんでしょうか? 僕が内科研修医だった2004年から2007年にかけてはホモシステイン関係の論文がJAMA, NEJM, Bloodなど様々な雑誌に出ましたが、ホモシステインを下げても心血管系の病気は予防できない、という結論ばかりだったように思います。そうするとホモシステインを下げる以外の機序で脳卒中を予防するんでしょうか? それとも実は効果がないのに、研究上の欠陥によって効果があるという結論になってしまったんでしょうか?

特に最近は勉強しても???が増えていくばかりです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年10月 9日 (火)

Harry Potter and the Deathly Hallows

Harry Potter and the Deathly Hallows By J. K. Rowling読了。

ご存知、ハリーポッターシリーズ最終巻。やれやれ、やっと終わったか。1冊出る毎にどんどん分厚くなっていくこのシリーズでしたが、この最終巻、なんとか読み切れる量でした。750ページ。プチ忙しい合間を縫って読んでいたので時間がかかりました。

このシリーズ、実は思い出深い洋書のシリーズです。海外臨床留学を思い立った時、僕は医学部6年生でした。その当時の僕といえば、英語の実力は大学入学時がピーク、その後は大して英語の勉強もせず、という典型的な日本のダメ大学生でした。そんなダメ学生がどういうわけか海外留学を思い立ったものだから、とりあえず英語から勉強しようと思ったわけです。そこで手にとったのが松本 道弘の速読の英語。この本、多読、速読を薦めているのですが、大変説得力がある。そして多読のとっかかりとして僕が選んだ本が実はHarry Potterシリーズの第1作目だったわけです。

振り返ってみると、読み方自体かなり変わりました。第1作目を読んだ当時には一ページ読むのにもえらく時間がかかっていた。知らない単語が頻繁に出て来るおかげで辞書を頻繁に引くので、前後のつながりもあまり分かっていなかった。

では今はどうか、と言われると英語が得意、と言えるほどのレベルには全然至っていないものの、読むスピードは上がってきた。当時の恐らく3,4倍くらいの早さで読めていると思う。知らない単語数も減ってきた。もし知らない単語があっても周りから大体推測できることが多いので、読書中は辞書を引くこともあまり無い。6年かかって何とかここまで来たわけです。芥川龍之介は英書を一日一冊のペースで読んだそうですが、僕も後数年くらいでその域に至りたいものです。この成長ペースだとちょっと厳しいですが。

次のターゲットはThe Great Gatsby。昔翻訳で読んだものを原書で読み返すのも乙なものです。原書を読み終わった後は村上春樹訳を読んでみようと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月 7日 (日)

Resilience

ここのところ微妙に忙しく、ブログの更新が滞ってしまいました。今日から再開です。

ロサンジェルスは今月で4ヶ月目。こうして新しい土地で周りも良く分からないし、知り合いも少ない中で苦労していると、どうも精神的に疲労が溜まってきます。初めてアメリカにやって来た3年前にも、秋から冬にかけて少々鬱気味でした。今も程度こそ軽いものの精神的に低調です。

なんだかあんまり書いていると愚痴モードに突入してしまいそうです。他の人を観察していて、それなりに長い時期にわたってアメリカで上手くやっている人というのはやっぱり「めげない」人なのかな、と最近思うようになりました。頭が良かったり、要領が良かったり、英語が上手かったりすると有利にはなりますが、結局長期的にう
まくやれる人はresilienceがあるのかな、と思うようになってきました。日本語で言うと打たれ強さ、die hardとでもいうんでしょうか。これは僕に欠けている資質の一つなのでこれからの課題でもあります。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007年9月18日 (火)

医師の服装

イギリスで医師の服装規定が新しく発表されました。

服装規定と聞くと、プロフェッショナルらしくネクタイを締めて清潔な白衣を着て・・・というものを想像しますが、なんと今回はその正反対。

ネクタイを締めるな!

長袖の服を着るな!

宝石類は身につけるな!

だそうです。ネクタイなんて、患者さんのケアには何の役にも立たないし、滅多に洗濯もされない。菌が巣くっている。なんて散々な言われようです。この服装規定は病院内での感染症を減らすことを主眼に置いて施行されたものだそうです。

服装の「Persona」を表すという機能が重視されない、というのもちょっと寂しいものです。と、童顔のお陰で白衣無しには医者だと思われない僕は思うのでした。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年9月13日 (木)

緩和ケアにおける希望

前回、「緩和ケア医療の中において、「希望」とはどういう役割があるんでしょうか。」なんて書きましたが、こうした一見つかみどころがなさそうなテーマでも研究はされているんですね。とは言っても研究している研究者は少ないようで、「希望」関連の論文には看護師さんを中心に同じような顔ぶれがいつも並んでいるような気がします。

希望をどのように評価するか、いろいろと試行錯誤がなされているようですが、一応信頼性があるとされているのがHerth Hope Index。ググるといろいろと引っかかってきますが、12の質問に答えてそれに点数を与え、合計点数で希望の度合い(自分で書いて思ったけど変な言葉です。)を測る。質問は例えば以下の様。
I have a positive outlook toward life.
I can see possibilities in the midst of difficulties.
I have a faith that gives me comfort.
などなど、ずっと続くのです。
これで採点されて、希望のある、なしが判定されるわけです。
点数によって希望のある、なしが判定され、それに基づいて介入方法が変わり、介入方法の有無、または方法によって結果が変わるとなればとっても科学的ですね。

僕はこの科学性の追求という姿勢に対して、心理学で一時流行った行動主義を連想してしまいます。行動主義では、心がどういうものかは一旦棚上げしてブラックボックスにしておき、刺激に対してどのように人間が反応するか(実験においてはしばしばネズミで代用されたわけですが)、その刺激ー反応を測定しました。そうすると、心がなんだか分からなくても、あたかも数学の関数のように、ある特定の刺激に対してどのような反応がもたらされるか予測できるようになるという訳です。
でも、それでは結局人間の心なんて分からなそうですよね。

Herth Hope Indexにも同じ臭いを嗅ぎ取ってしまいます。科学の方法論としては正しいのかもしれないけれども、それで何が分かるのか、と思ってしまうのです。僕が死の床についたとき、看護師さんがやってきておもむろに12の(個人的にはあほくさく感じる)質問を読み上げ、その結果に基づいていろいろと介入してくるわけです。それが本当に希望を与え、安らかな死を迎えるのを助けるになるんでしょうか?

(もちろん、鬱など精神科領域の疾患は同じような方法論でアプローチするしかないわけですが、病的な状態である鬱と死の間際の希望を同じように扱えるのか?という疑問があるわけです。)

こんな風に思ってしまう僕は自分で思っているよりもナイーブで実存主義者みたいです。ああ、今日も太陽が黄色い(^_^)。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

«死の受容