臨床留学
今日は臨床留学について思うことを簡単に書いてみる。
僕自身は日本で(内科以外の科で)研修中にUSMLE (United States Medical Licensing Examination)という米国医師免許試験に受かり、その後に職探しをしてこのピッツバーグに内科研修医として来るに至った。
医師が留学する際には大きく分けて二種類、臨床留学と研究留学があるけれども、僕は臨床留学することを選んだ。臨床留学は文字通り臨床をするために留学するものであり、留学前には医師免許が必要になる。研究留学は研究するための留学であり、こちらの方が多数派である。
USMLEは3つのstepから成り立っていて、USMLE step 1, step2 CK (Clinical Knowledge), CS (Clinical Skills)である。step1, 2CKはコンピューターで受ける試験で日本でも受けられる。step2CSはわざわざアメリカまで来なければいけない。それぞれの試験は無論英語であるし受験料もかなり高い。
これだけでもうんざりする。しかも試験の申し込み自体も意外と面倒だったりする。医学校の制度の違い(米国4年、日本6年)、英語の壁、USMLE受験に不慣れな医学部事務などなど、によって試験を受けるだけでも一歩間違えると数ヶ月余計にかかってしまう。
おっと、忘れてはいけないのがECFMGという組織だ。この組織はEducational Commission for Foreign Medical Graduatesの略で要するに外国からアメリカに来ようという医学生、医師のスポンサー機関である。試験受験時もこの組織を通して行う。
当然、この組織もアメリカの他の組織と同じく事務の手続きの早さと正確さは日本人を仰天させるひどさである。手続き中一度はトラぶって文句を言う羽目になる。
とにかく面倒くさいのだ。そして、やっと試験に受かったと思ったら今度は職探し。これがまた試験に輪をかけて面倒なのだ。
面倒面倒と言い募って、それを終わらせた自分を賞賛したいわけでは無論無い。USMLE受験は試験であるので攻略法は存在するし、職探しもお作法をふまえてきちんと臨めばそれなりに結果がついてくる。が、そのプロセスは大変だし、面倒だ。
アメリカでの生活は苦労の連続だし、毎年毎年の職の保証もない。言葉の壁もそそり立っている。日本に帰る際にはまた就職活動である。
トータルで見て得か損か。
何を求めて、何歳頃に、どのような地位で、どのくらいの期間を目安として、帰国後にはどのようにするつもりで(あるいは永住して)留学するのか、考えておかないと息が続かない。
本屋さんに行くと臨床留学について書いた本はいくつか並んでいる。その全てが臨床留学という夢を叶えた幸運な人によって書かれているのだ。しかも留学して良い体験をして、そのキャリアを活かして活躍されている先生方ばかりである。なんという強烈なselection bias。(偏った選び方によって、偏った結果が出ること。)
とは言え、人生なんて多分損得だけじゃないよね、その時の思いつきも大事にしなきゃ、と、行き当たりばったり人生の僕は思うわけだけど。
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コメント
私は現在、4年生にしてはじめて、将来、米国への臨床留学を、ならびに医師として働くことを志しました
そうして貴方の日記にたどり着いたわけですが、バイアスのかかっていない生の日記に触れて、非常に参考にさせて頂いています
私は今まで海外経験もなく、ためしにtoeicを受けてみても900点そこらの非常に英語ができない学生です
医学の成績も、決していいとは言えません
そんな私にとって、いくらも覚悟は必要と思いますが、先陣をきっている先生方に続きたいと思います
どうか日記も続けて下さい
投稿: とある学生 | 2011年5月25日 (水) 10時20分