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2009年1月11日 (日)

舅姑と同居している日本人既婚女性は冠動脈心疾患の危険性が3倍高い

Living arrangement and coronary heart disease: The JPHC Study. Heart. 2008 Dec 15 PMID: 19066191から。この研究はNew York Timesにも取り上げられました。

嫁姑問題、と聞くとストレスフルなイメージがありますね。でもそれが健康に与える影響はどうなのでしょうか?

ハーバード公衆衛生学教室が40歳から69歳までの心疾患を持っていない日本人90987名(内47594名が女性)を平均11年間、質問票によって追跡調査したところ、合計662例の冠動脈心疾患(いわゆる心臓発作)が起こり、他の危険因子を考慮しても舅姑、夫と同居している女性は夫のみと同居している女性と比べて3倍冠動脈心疾患になる危険性が高かったと言うことです。興味深いことに、舅姑に加え夫、子供と同居している女性、夫と子供と同居している女性、母子家庭の女性も2倍程度冠動脈心疾患になる危険性が高かったということです。

もともと若い日本人女性は冠動脈心疾患になる危険性があまり高くありません。47594名の女性を平均11年間追跡したこの研究でも冠動脈心疾患によって死亡した女性はわずか97名、全ての死因を含めても亡くなったのは2073名です。非常に大雑把に言うと、約10年間程度で死亡率は4%前後、冠動脈心疾患による死亡率は0.2%程度ですから、この年齢層の日本人女性はかなり健康なことが伺われます。そうした低い死亡率が2から3倍高まったとしても、公衆衛生学的には意味があることですし、学問的には興味深いことですが、個々人がそれを気にして何か行動に移す必要は無いと思われます。(この辺りはabsolute risk reductionとrelative risk reductionの違いですね。仮に10倍危険性が高まるとしても元々の危険性が非常に低ければ、その高まった危険性の意義はあまり無い、ということです。)

社会的な要因は英語ではSocioeconomic Status (SES)と呼ばれ、それが疾病に与える影響について多くの研究がなされています。ストレスが心疾患に与える影響も注目を集めています。仕事のストレスが心疾患を増やす、というデータも多いですね。上記の研究のように人間関係のストレスもまた注目を集めています。そういえば、結婚関係がうまくいっていないと心疾患の危険性が高いというデータもありましたね。(Arch Intern Med 2007 Oct 8; 167:1951.)

面白い研究としてはドイツで2006年ワールドカップ開催中には心疾患の発生率が高まった、というものがあります。(N Engl J Med 2008 Jan 31; 358:475.) ドイツはイタリアに準決勝で敗れて3位でしたから、それがショックだったんでしょうか。。。

ストレスを避け続ける人生なんてつまらないですが、(メタボ気味で心疾患の危険性が元々高い人は特に)ストレスもほどほどに、ってことでしょうか。

前向きな気持ちが心疾患の危険性を減らすかもしれない、なんて研究もあるので(Arch Gen Psychiatry 2007 Dec; 64:1393)今年も前向きに頑張っていきましょう!

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