ガイドラインを守って診療していますか?
医療の世界では近年ひんぱんに「ガイドライン」を見かけるようになってきました。これは専門家がある疾患を対象とした研究を精査し、研究に基づいて治療方針を推奨する、というものです。ですから、その疾患に対する治療のエビデンスの集大成ともいうべきものです。つまり、ガイドラインに従っていれば最先端の研究に基づいたEvidence Based Medicineができるというわけです。
このガイドライン、あればやっぱり便利なのです。深く考えずにガイドラインの仰るとおりに薬を処方すれば良いし、その病気に対する代表的な研究もガイドラインに引用されている文献を調べることで大抵網羅できます。
ただ、便利なものも使いすぎると問題が。。。
各種疾患に対するガイドラインが権威ある学会から出されます。学会はもちろん複数ありますから、一つの病気に対して複数のガイドラインがあることも珍しくありません。そしてそれぞれ数年おきに更新されるわけです。一つの病気のガイドラインをきちんと把握しておくだけでも大変なのに、数多の病気に対してそれぞれガイドラインがあるわけです(>_<)。
それにガイドラインは一つの病気しか取り扱いません。でも、実際の患者さんは複数の病気を持っているわけです。大抵頭を悩ませるのは、この病気に対してガイドラインによるとこの薬だけど、この薬は別の病気を悪化させるかもしれない、そういう場合ですが、ガイドラインはそうした疑問には大抵答えてくれません。ちょっと融通が利かないのです。
その上米国では医療の質を測るのに、どれだけガイドラインに従っているか、というのが指標に使われるようになってきました。ある程度医者として腕が上がってくると、ガイドラインの意味や限界も分かってきて、現実の患者さんに応じて敢えてガイドラインから踏み外す場面も出てくるわけですが、そうした医師としてのさじ加減は医療の質を低めるものとして評価されるようになってきてしまったのです。
だんだん弊害も大きくなってきているのです。
そして、今週のJAMAに面白いEditorialが載りました。(要購読) ガイドラインの問題点を指摘した、思わず膝を打ちたくなるような内容でした。
日頃からガイドラインにいらいらしている人はぜひどうぞ。
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