ゲノム解析
ここ1週間で続けてゲノム解析関連の論文や記事を読むことがあったのでメモ。
Lancet - Clinical assessment incorporating a personal genome. Lancet. 2010 May 1;375(9725):1497-8.
ギズモード ゲノムを解析したら、どんな病気になりそうか知ってしまった...
NEJMの論文曰く、「ヒト全ゲノムを解析するのに千ドルくらいしかかからなくなるのは時間の問題」だそうです。そんなにお手軽に出来る時代になっていたのですね・・・。Lancetの論文はある男性の全ゲノムを解析して(その男性の)将来の疾病リスクを評価する試み。全ゲノムの解析が安く出来るようになれば、このようにリスク予測や薬剤選択などに解析結果を活用しようという研究は増えてきそうですし、臨床現場でも用いられるようになるでしょう。これからゲノム解析の結果が臨床において活用される場面は徐々に増えてきそうです。NEJMの論文では臨床医に対する警告として
「結果を正しく解釈してそれに基づいて行動できないのならば検査するな」
「検査は非常に正確だけれども、大量の情報を処理する以上大量のエラーも混じりうる」
の二つがなされていました。ギズモードの記事は深く考えることなく検査を受けてしまった記者が書いた記事で、一番目の警告がぴったり当てはまりそうです。すごく悪い結果が出ることだって有り得るのに、それに対して何も出来ないとしたら何の為に検査を受けた事になるのでしょうか? 単に不安になるだけではないでしょうか?
臨床研究に対する影響はどうでしょうか?
Evidence-based medicineは多くの患者に対して平均的に効果があった治療法を良し、とするものです。それに対してゲノム解析は必然的にpersonalized medicine (個人にあわせた医療)への流れを加速していくでしょう。この二つを融和させていくのは難しそうです。
NEJMの論文からの提言は
「臨床研究への参加者から遺伝子情報を収集してさらなる研究に繋げるのが第一歩」だそうですが…。そうすると今後遺伝子情報に基づいたSubgroup analysisを山盛りにした治験結果を見ることになるんでしょうか? ちょっとうんざりな気もします。
遺伝子情報に基づいて参加者を選別して臨床研究を行う、などの手法もありそうですが。。。お金がかかり、しかも参加者を集めるのが大変な割に結果を広く応用できない危険性もありそうです。
うーん、難しいですね。
いずれにせよ大規模データを扱う機会は増えそうなので、真面目に統計の勉強をしておこうと思いました。まる。
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